<< 2011年マイゲーメスト大賞(同人フリゲ) >>

誰か様の『個人的ゲーメスト大賞』に触発されて自分も書いてみた。同人ゲームのみです。ほとんどフリーゲームです。2011年どころか、かなり前のゲームもありますが、私が去年プレイしたゲームということで。説明するまでもなく、これは私個人が気に入ったゲームというだけです。

★ ベストアクション ★
伝説の棍術師(ドラゴンハッカー様)

http://dragonyamiyona.yumenogotoshi.com/

アクションエディター4製のアクションRPG。
同作者様の『NO NAME HERO,S』では薄かったストーリー部分を充実させ、多彩な技を使い分ける戦術性を追加、豊富なギミックを満載したステージに巧妙なアルゴリズムをもつエネミーなど、とても見どころの多いゲーム。

最大の特徴は昼と夜の概念があり、出現する敵が変わる。ランダム要素が高く挑戦する度に違ったステージが楽しめる。キー入力による上下突きや連打によるコンボ技など主人公のアクションは多彩かつどれも強力だが、敵のパターンも多彩で正面からは一切攻撃を受け付けなかったりカウンターを使ってきたりHPを回復してしまったりステータス異常を起こす攻撃を使ってきたり、適当に連打してるだけではトラップにかかって倒されてしまう。手強いステージも少なくないが、主人公の成長レベルを上げればアクションの苦手な人でも十分クリアできる良好なバランスになっている。クリアまでの道のりはけっこう長い、更に2週目以降もある。フリーのアクションRPG中では大作の部類に入るだろうか。とにかく変化に富んだゲーム性が楽しく、プレイするほど密度の高い作り込みに驚かされる。

ストーリーは……。

「世界を救おうと旅立ったら、俺のこと好きだって言う女の子がどこまでも追っかけてきて、なんかいつのまに彼女の方が世界救ってた」

「おまえは何を言ってるんだ」

「世界を救おうと旅立ったら夏美さんが追っかけてきて、なんかいつのまに夏美さんの方が世界救ってたんだよ!」

「おまえは黙ってろよ!」

というわけで、ドラゴンハッカー様の過去作を知ってる人にはわりとお馴染みな展開、なのだろうか、たぶん。主人公も可愛いが、フドー君などサブキャラもいい男……魅力的である。

大手フリーゲームサイトなどには登録されていない為、本作はあまり知られていない気がする。このような良作が埋もれてしまうのは惜しいと思う。



★ ベストシューティング ★
デビルディメンション架空界2シリーズ(アンリア様)

http://youtu.be/dfXeNMq5tdU

デザエモン2製・縦スクロールシューティングゲーム。
『架空界2裏』は2011年に完成しデザエモン2ユーザーに配布された。
大事な事なのでもう一度言おう。
昨年、2011年に完成し配布された『デザゲー』である。

未だにデザエモンシリーズの愛好者はおり新作も発表され続けている。更に海外に熱狂的なファンもおり、そのゲームデータは国境を超えて広がっている。
しかしデザエモン製のゲームをプレイする為の敷居は高い。『デザエモン+』と『デザエモンKids!』はPSアーカイブス版の登場によってかなり便利になった(PS3やPSPを介する事でプレイ可能)のだが、それでもデータの移し替えには手間がかかる。デザエモン2製のゲームをプレイするにはデザエモン2とセガサターン本体、そして稀少なセガサターン用のフロッピーディスクドライブが必要だ。おそらくこの『架空界2』シリーズは日本国内においては三十名に満たないデザエモン2ユーザーの手にしか渡っていない。
そんなゲームをここで紹介したところで多くの人はプレイできない。それはわかっているがしょうがない。間違いなく自分が近年プレイしたSTGの中のベストだから。

スピーディに流れていく展開、ツボを抑えた演出、緊張感と爽快感が絶えず持続する完成されたエネミーパターン、カリスマ性の高いボスキャラクター、世界観にマッチした独特の美しさを持つBGM。ゲームシステムに目新しさはないが、これほどオーソドックスでありながら面白いのは、作者の実力が高い事に他ならない。
『架空界』シリーズは1、2表、2裏の3種類が存在する。2表は難易度が低く、2裏は難易度の高いハード仕様となっている。ハードと言ってもSTGに慣れているゲーマーであれば、何度かコンティニューすれば十分クリアできる程度の難しさ。おそらくはユーザーがツール固定のオプションで難易度設定ができる事を考慮して、ほどほどに抑えられているのだろう。オプション側で『HARD』に設定すると敵弾が速くなり、80年代を彷彿とさせるスリリングな高速弾STGに変貌する。
多くの同人STGは個人制作であるが故に独りよがりな調整になりがちだが、本作は良好なゲームバランスとレベルデザインの上に成り立っている。

また、ひさしぶりにデザエモン2を起動すると、レスポンスの良さに驚いてしまう。使用したモニターは震災で壊れかけたブラウン管のテレビ。久しく自分が感じていなかった『シャキゲー』の世界がそこにあった。腐ってもブラウン管である。
『シャキゲー』の意味を体感として覚えてる者達は幸せなのか、それとも知らない方が幸せなのか、私にはわからない。それは今や多くの人は知らない、架空界の果てなのか。



★ ベストRPG ★
メトロ・アングラ(ボトルネック様)

http://www.geocities.jp/diabottle/

RPGツクール2000製。
少年達が地下世界『メトロアングラ』から脱出するRPG。

どことなく『サガ』シリーズのような殺伐とした雰囲気を感じさせるSF世界。ハガネによるアイテム生成や、モンスターとの遭遇率を上げるサーチモードなど、特徴的なシステムもあるが、全体としてはベーシックな作りのRPGと言って良い。細部までストレスのない作りで、安心して楽しめるクオリティを維持している。

淡々としたストーリー展開が続くが、先が見たくなる不思議な魅力がある。最初にインパクトを受けたのは顔に奇妙なあざのようなものがある主人公達、愛嬌のあるデザインの敵モンスター『マモノ』達。全編通して特有のビジュアルセンスが作品の個性となり、オリジナリティの高い世界観を作り上げていると言える。彼らが何故地下に住んでいるのか、地上では何が起こっているのか、もちろんラストで明らかになる。

ストーリーはさほど長くはない中編規模のRPGなので、あまり時間のない人もやってみて欲しい。続編の『メトロモノリス』にも期待したい。オレはようやくのぼりはじめたばかりだからな、このはてしなく遠いメトロ坂をよ……。



★ ベスト演出 ★
かいけつ!猫足乙女ちゃん(k様)


タオルケットシリーズで知られるk様の作品。
最初にこの作者様の作品における問題点を言ってしまいたい。

巧みな演出と衝撃的な展開でプレイヤーの心を惹き付ける、その手法の上手さは疑いなく、作品を重ねるごとにその技術も向上している。
しかし冷静にストーリー全体を見ると整合性は感じられなかったり、脈絡のない超展開の連続にウンザリする事もある。
整合性のなさはゲームシステムやバランスにも及ぶ。話題作となった『タオルケット2』は、主人公の心の中をカスタマイズできる要素があるが、クリアする上であまりに意味がない。無駄なアイテムも多く、アイテム欄が猛烈な勢いで埋まっていく。仲間キャラクターもどんどん増えていき、編成の自由度は高くなるが、半分以上のキャラは使う事がない。そもそもどのキャラを選んでも問題ないほどバトルは単調で戦術性に乏しい。

ストーリーや演出、細やかなグラフィックは素晴らしいが、従来のRPGの在り方からはどこか遠い。『タオルケット2』のみならず『猫足乙女』を含む他のタイトルにも共通する特徴でもある。私のような古いゲーマーには時にそれは耐え難いものであり、私がこの作者様のゲームで最後までプレイできたものは少ない。

『猫足乙女』は許容範囲であった。それで何とかゲームを進めていくと、やはりキャラ作りや演出の上手さに感服してしまう。これだけ多くのキャラクターを擁しながらもそれぞれが立っており、見せ場がある。見せ場のないキャラに『空気』というレッテルを貼って処理してしまう事もあるが(笑

最初は思考の幼いヒロイン猫足乙女が主人公。他にも魅力的な女の子が多くて目移りする。ああもう猫足ちゃんも教官もぷっちもコンチェルちゃんもみんな可愛いだもー! みんな嫁にしたいおっおっおっ! 男キャラはなんだ、こいつら、ただの変態じゃないか! ところが、徐々にこの変態男達を中心とした物語にシフトしていくのだ。キャラへの愛着が高まった頃に超展開、時に悲劇的な物語が挿入される。ここでハマったら、後はもうラストまで一気に流されてしまうだろう。

自分と同業のシナリオライターなどやってる人は、この作者様の作品は見る価値があると思う。特にこの『猫足乙女』のキャラクター表現は卓越している。掛け合いや台詞回しの細かな表現にも市販タイトルにはない刺激がある。
例えば、後半で男女のキャラがくっつく展開があり(もちろん性的な意味で)どうなるのかと思っていたら「にゅにゅにゅいーん!」という擬音だけで終わってしまった。絶妙に想像力を膨らませる見事な表現だと思う。



★ ベストデザイン ★
怪傑バイオレット/はりつき忍者生焼丸(ヲシダ様)

http://woshida.web.fc2.com/

2011年はヲシダ様のアクションゲームに、とても楽しませてもらった。その中でも特に印象に残るのが、初期に発表された二作。八方向にブーメランを投げて敵を倒していく「バイオレット」 壁にはりつくアクションが特徴的な「生焼丸」

何のベストデザインなのか? 
もちろんゲームなのだから、ゲームデザインだ。

ヲシダ様のゲームは一見するとマニアックなゲーム性を前面に押し出しているが、必要最低限の要素に留めるかの如く、シンプルにまとめられている。どのゲームもとても遊びやすく、アクション好きなゲーマーが軽く遊ぶのにちょうど良く、アクションが苦手な人や初心者がプレイしても楽しめるだろう。

また多くが、減点式のスコアシステムを採用してるのも特徴だ。「生焼丸」は手裏剣を投げる毎にスコアが減るためムダ撃ちが許されない。ストイックに敵を狙い撃つゲーム性がとても熱いのだが、撃ちまくり避けまくりのシューティング的爽快感が好きな人には受け入れられない可能性もあるだろうか。

個々のゲームは小さくまとめられているのでインパクトは薄くなりがちだが、どれも安心して遊べるクオリティの高さを持っている。あくまで私の感性ではあるが、今のところヲシダ様のアクションゲームで『ハズレ』は一作もない。今初めて、ヲシダ様のゲームを知った人は幸福であろう。「バイオレット」から「ゴルセフ」まで、これら良作の完成を待つことなく全て一気にプレイできるのだから。

過去に傑作と呼ばれたゲームは、個々のアイデアを洗練させた先に生まれた、そんなゲームも多かったのではないか。ヲシダ様の作品群を見てると、そんな事を改めて考えさせられたりもする。



◆ その他、個人的ヒットゲーム ◆

Caravan Star II(NSS様)

中学デビュー★★★(ほりん様)

世界で一番やさしいRPG(oowatakeru様)

人であらずんば/現代死人(ブラックウルフ様)

クラインポットの迷宮(take様)

リクール・シリーズ(イワヲ工房様)

もっとしかくいやつ(Coolstep様)

伝説のタンポポ/ブイアドベンチャー(凍夜様)

マシーンショック・シリーズ(オトカム様)

dummer Spiel - another story -(えとレン様)

らんだむダンジョン(はむすた様)

ザ・ソウルオブドラキュラ(椈口様)

冒険島漫遊記2(モーニングブレッド様)

アンリミテッドしろまる(難民アバルズ様)

みつき伝/三人娘伝(きらりんぐソフトウェア様)



2011年個人的ベストシーン


2011年個人的ベストタイトル画面
エミリア伝

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